ストーム・爆弾低気圧 知っておきたいコラム
爆弾低気圧とは?
2012年4月3日~4日、日本列島に記録的な暴風をもたらした低気圧。この低気圧は初夏の暖かい空気(暖気)と冬の冷たい空気(寒気)がぶつかることで猛烈に発達しました。爆弾低気圧と表現され、短時間で急速に発達し、暴風や大雨などの被害をもたらすことがある危険な低気圧です(中心気圧が24時間に24hPa以上発達すると「爆弾低気圧」と呼ばれます)。
メイストーム(5月の嵐)という言葉があり、5月は暖気と寒気がぶつかることで、日本付近で低気圧が急発達しやすい時期にあたります。聞き慣れた低気圧という言葉でも耳を傾け、防災の意識を普段から高めておきたいところです。
*右の天気図は、2012年4月3日9時
5月の魔物 メイストーム
4月下旬から5月頃にかけて、日本海や北日本付近で、低気圧が急激に発達し、各地で大荒れの天気になる事があります。これをメイストーム(5月の嵐)と言います。この時期は、大陸にある冬の名残の冷たい空気と、日本の南にある初夏の空気が、日本付近でぶつかり合うため、低気圧が急発達します。低気圧が台風並に発達し、各地に暴風をもたらしたり、大雨を降らせたりする事もあります。
この時期は5月の連休などもあり、外出する機会が増えます。行楽などに行く前には、最新の気象情報をチェックして、無理のない計画を立てましょう。特に、海や山では天気が急変するため、注意が必要です。
台風と温帯低気圧の違い:温帯低気圧だからだと油断禁物
天気予報で「台風が温帯低気圧に変わりました」というコメントを耳にしたことがあるかもしれませんが、この二者の違いとは何でしょうか?答えは「構造の違い」です。台風は、海からの水蒸気をエネルギー源とする「暖かい空気の塊」。一方、温帯低気圧は、「冷たい空気と暖かい空気のぶつかり合い」で発生します。台風が北上し、北から冷たい空気が入り込んで性質が変わると、温帯低気圧になるのです。
ですから、台風が温帯低気圧に変わっても、気象学的な構造が変わるだけで安心はできません。温帯低気圧として再発達したり、台風以上に強風の範囲が広がることもあるため、引き続き注意が必要であるという事を忘れずに!
平均風速・最大風速・最大瞬間風速って?
風速○メートルと言われても、いったいどのくらいの強さの風なのかわかりにくいですよね?ここでは、どのくらいの風速で、どのくらいの被害が起こる可能性があるのかを示します。
平均風速:10分間の平均風速を指す。単位は△△m/s。
最大風速:ある期間における、平均風速の最大値。
最大瞬間風速:瞬間風速の最大値。最大風速の1.5倍~2倍に達することもある
*表はクリックすると拡大されます(気象庁HPより引用)。