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さくら豆知識

  いろんな視点からさくらの話題を発信♪

第2回
なぜ半島の片隅から全国へ広がった?
河津桜のヒミツをお伝えします!!

こんにちは、気象予報部の赤坂です。

まだまだ寒い日も多いですが、2月に入って以降、沖縄や奄美の気象台からは
続々とヒカンザクラ満開の便りが届いています。

「暖かい南の島の話でしょ…」と思う方も多いかもしれませんが、
実は、本州でも今の時期に見頃を迎えるさくらがあります。

それは「河津桜(カワヅザクラ)」です。

河津桜と館橋.jpg

私は関東に住んでいますが、小さい頃は、
河津桜というさくらは見たことも聞いたこともありませんでした。

でも、ここ数年は河津桜の観光ツアーの広告を見る機会も多くなってきました。
メディアにも、河津桜が早咲きのさくらということでしばしば取り上げられ、
注目度が高まっているように感じます。

実際、河津桜の誕生の地、静岡県賀茂郡河津町で開催される「河津桜まつり」は、
近年は期間中に100万人を超える観光客が訪れる、一大イベントになっています。

今回は、そのように最近人気が出ている「河津桜」をテーマに
掘り下げていこうと思います。

河津桜って何?


まず、そもそも河津桜とはどんなさくらなのでしょうか。

河津桜は、その名の通り、静岡県伊豆半島にある賀茂郡河津町で発見されたさくらで、
ソメイヨシノよりも濃い目の桃色が特徴です。
開花が1月下旬から2月と早く、また、花の咲いている期間が約一か月にも渡り、
お花見を早く・長く楽しめることも人気の理由となっています。

原木は1955年頃に故飯田勝美氏により発見され、飯田氏宅の庭に植えられました。
樹齢が60~70年に達する今も同じ場所で、毎年鮮やかな花を咲かせています

また、2011年までに河津町内で約1万本が植えられているだけでなく、
他にも名所のある伊豆半島や三浦半島をはじめ、
本州から九州の各地で植えられてきています。

原木の写真.jpg
               河津桜の原木

なぜ早く咲く?河津桜はショートスリーパー!


早咲きが魅力的な河津桜。でも、ソメイヨシノと違い、なぜ早く咲くのでしょうか?
これには、前回のコラムでも取り上げた「休眠打破」という現象が関わっています。

さくらは、夏に翌年咲かせる花のもととなる「花芽(はなめ)」が作られるのですが、
その後は生長をいったん止めて眠りにつきます。

そして、秋から冬にかけての寒さに一定期間さらされると、
それが目覚まし時計の役割をして、再び生長を開始するのです。
この花芽の目覚めを「休眠打破」といいます。

また、休眠打破が行われるのに必要な寒さの量を、
これも小難しい言葉で「低温要求量」といいます。

低温要求量はさくらの品種によって異なり、ソメイヨシノの場合、
10月以降、8度以下の寒さに約800~1000時間さらされる必要があります。

一方、静岡県の伊豆農業研究センターの研究によれば、
河津桜の場合は8度以下に27~59時間程度さらされただけでもOKで、
少なくとも12月の上旬には休眠打破が完了していることになるそうです。

たっぷり眠らないと起きないソメイヨシノに対して、
河津桜は少し眠っただけでパッと目覚められるのですね(うらやましい…)。
これが、河津桜がソメイヨシノよりも早く咲くヒミツとなっています。

休眠から開花までの図.jpg

余談ですが、もし地球温暖化がこのまま進むと、
将来的にはソメイヨシノの休眠打破に必要な寒さが足りず、
ソメイヨシノが咲けなかったり満開にならなかったりする可能性も指摘されています。

温暖化が進んだ未来には、もしかしたら日本を代表するさくらが、
ソメイヨシノから河津桜に置き換わっているかもしれませんね。

努力が結実 河津桜で町おこし!


さて、お花見を早く・長く楽しめる河津桜ですが、
その人気はただなんとなく広がった訳ではありません。
地元の南伊豆地域での様々な取り組みが、現在の河津桜の人気に繋がっています。

もともと、伊豆半島にはソメイヨシノよりも早い時期に咲く様々なさくらが自生していて、
地域では古くから「早咲きざくら」と呼ばれて親しまれてきました。

そこに注目した伊豆環境緑化推進協議会では、1970年代にさくらの生態調査を行い、
河津桜を含む7品種を「地域内で活用すべき有用な早咲きざくら」と認定して、
調査・活用を続けてきました。

中でも河津桜は、地域固有の品種であること、
ソメイヨシノよりも色鮮やかで開花期間が長いことから、
観光資源としての価値が特に高く、重点的に植栽が進められてきたのです。

河津桜アップ写真.jpg

そして、1991年からは河津町で「河津桜まつり」が開催されることになり、
初年度には3000人程度だった来場者数も、1999年には100万人に達しました。

また、伊豆農業研究センターでは、「河津桜まつり」開催期間への影響や、
河津桜の切り枝としての活用を模索する中で、開花予測等の研究も進められています。

そのような努力が実を結び、およそ半世紀前には
伊豆半島の片隅でひっそりと咲いていた河津桜が、
いまや南伊豆地域を代表する全国区のさくらとなったのですね。

河津川桜並木.jpg

今年の「河津桜まつり」は2月10日に開幕し、河津桜は今まさに見頃を迎えています。

イベント期間中は毎日約150軒の出店があり、
地場産品や露店ならではの食べ物が並びます。
花より団子な方にもピッタリですね。

河津桜まつりは3月10日まで開催されるため、
ソメイヨシノよりも一足早く、お花見を楽しんでみてはいかがでしょうか♪
詳しくは、河津町観光協会のホームページをご覧下さい。
http://www.kawazu-onsen.com/sakura/index.html

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